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Category Archives: 博物館の窓

番外編(平成23年度)

Posted on 2014年1月22日 by admin Posted in 博物館の窓, 平成23年度
  • 全天周映画「はやぶさ」の観覧者が、もうすぐ5万人(平成23年12月)
  • 入館者200万人達成しました!(平成23年8月)

全天周映画「はやぶさ」の観覧者が、もうすぐ5万人(平成23年12月)

 当館で上映している全天周映画「HAYABUSA BACK TO THE EARTH」の観覧者がもうすぐ5万人になろうとしています。

 上坂浩光さん監督のこの映画は2009年に公開され、小惑星探査機「はやぶさ」が地球に戻った後には「帰還バージョン」が制作・公開されました。当館では2010年1月から「2009年バージョン」の上映を開始し、2011年1月からは「帰還バージョン」を上映してきました。

 全編CGで制作されたこの映画は、出演者が「はやぶさ」ただひとりで、あとは篠田三郎さんのナレーションと効果的な音楽と素敵な主題歌というシンプルなものでありながら、優れた科学映画であり、また、多くの人に感動を与える映画でもあります。

 映画として優れた作品であることは、「第52回科学技術映像祭」科学教養部門での文部科学大臣賞受賞や「映文連アワード2011」での最優秀作品賞受賞などを見ても明らかです。

 ところで、この映画で涙腺の緩んでしまう人が少なからずいます。それは見る人が、擬人化された「はやぶさ」とともに宇宙を旅し、苦難を乗り越える体験を共有するためなのでしょう。そして、その物語の背景には暗く広い宇宙があり、その宇宙を行く小さな探査機の例えようもない孤独があるように感じられます。そこでは、人は寄り添ことを選ぶしかないのでしょう。

 この映画が描いた「はやぶさ」のプロジェクトは、そんな途方もなく広い宇宙の中にぽつんと存在する小さな小さな星に探査機が行き、なおかつ地球に帰ってくることを目指したもので、私などには気の遠くなるような計画です。しかし、このプロジェクトにかかわった人々は、永年にわたり叡智を結集し、多くの技術を積み上げ、創造し、そして決してあきらめない心で実現してしまったのです。

 さて、当館のスタッフは、この全天周映画を見終わって泣いている子どもを何人も見ています。ある子どもは「はやぶさが燃えてしまってかわいそう」と泣いていました。それを見て、傍らのお父さんが「泣かないでいいんだよ。“はやぶさ”は大事な仕事をちゃんとやり遂げたんだから」と言い、お母さんが「今度はJAXAに燃えない“はやぶさ”を作ってもらおうね」と話しかけている、そんな光景も見ています。

 「HAYABUSA BACK TO THE EARTH」の当館の観覧者累計が5万人になろうとする今、この作品と、そして「はやぶさ」のプロジェクトそのものが、どれほど大きな影響を、とりわけ子どもたちに与えたことだろうと、あらためて思っています。(館長)

 

入館者200万人達成しました!(平成23年8月)

 おかげさまで、8月28日(日)に入館者数200万人を達成しました。

 200万人目の来場者は、相模原市中央区にお住まいの白川睦生くんです。両親と妹さんの4人で訪れてくれました。「自分が200万人目だったことにびっくりした。博物館には何度も来ているが、200万人というたくさんの人が来ていることに驚いた。」と話してくれました。

 エントランスに200万人達成セレモニーのアナウンスが流れると、その場に居合わせた入館者から祝福の拍手が起こりました。白川くんには、加山俊夫相模原市長から花束と記念品(ライト付地球儀/天球儀)が、岡本実教育長から図鑑と「プラネタリウム・全天周映画招待券」が贈られました。

 

 当館は、毎年10万人を超える入館者数がありますが、平成22年6月、小惑星探査機「はやぶさ」が地球に帰還したことで、当館で上映された全天周映画「HAYABUSA BACK TO THE EARTH」が好評を博し、さらに「はやぶさ」が持ち帰ったカプセルの世界初展示などにより入館者数が急増、200万人達成が予想より半年ほど早まりました。

 遠方からのお客様も増えており、これを契機に一層魅力ある博物館になるよう、スタッフ一同、気持ちを新たに取り組んでいきたいと思っています。(企画情報班 金井)

番外編(平成22年度)

Posted on 2014年1月22日 by admin Posted in 博物館の窓, 平成22年度

文化財防火デーに訓練を実施しました(平成23年1月)

 

 平成23年1月26日(水)文化財防火デーに、防火訓練を実施しました。

消防車3台が来ました
消防車3台が来ました

 常設展示室からの出火を想定した、来館者の避難誘導、収蔵庫からの文化財搬出の訓練です。

高所救助車による救出訓練
高所救助車による救出訓練

 当日は相模原消防署緑が丘分署の協力を得て、3階に取り残された職員の救出訓練も、本番さながらに行われました。

 訓練は整然と、滞りなく終了しましたが、緊急時の手順や避難経路を日ごろから確認しておく事の重要性が改めて認識されました。今後も、今回の反省を活かし、来館者や収蔵品の安全確保に努めていきます。(企画情報班 木村)

 

ボランティアの窓(平成24年度)

Posted on 2014年1月22日 by admin Posted in 博物館の窓, 平成24年度
  • 横浜市歴史博物館の「感謝デー」に参加しました(平成25年1月)
  • 民俗調査会で第2回目の「民俗探訪会」を行いました
  • 横浜市歴史博物館「民俗に親しむ会」と第二回目の交流会(フィールドワーク)を行いました
  • 横浜市歴史博物館「民俗に親しむ会」と交流会(フィールドワーク)を行いました

横浜市歴史博物館の「感謝デー」に参加しました(平成25年1月)

横浜市歴史博物館
横浜市歴史博物館

 横浜市歴史博物館 本館の民俗調査会Aと、横浜市歴史博物館の民俗関係の市民の会である「民俗に親しむ会」とは定期的に交流会を行っており、これまでの交流会の様子についてはこの「ボランティアの窓」でも記していますが、ここで紹介するのは、1月27日(日)に横浜市立歴史博物館で開催された「感謝デー」です。

 横浜市歴史博物館は横浜市都筑区中川中央にあり、本館と同じ年の平成7年(1995)1月31日に開館した歴史系の博物館です。隣接する場所には、港北ニュータウンの開発事業に伴なって発掘された大塚・歳勝土遺跡(国指定史跡)があり、「横浜に生きた人々の生活の歴史」をテーマに原始から近現代までの横浜の歴史を展示するほか、体験学習なども活発に行われています。そして、毎年、開館記念日に当る1月31日近くの土・日(平成25年は26日と27日)には、さまざまな催しをもとに感謝デーが企画されており、交流の一環として民俗調査会の会員13名と加藤が横浜市歴史博物館を訪問させていただきました。

企画展会場の前で説明する刈田さん
企画展会場の前で説明する刈田さん

 今回の大きな目的の一つは、企画展「千歯こき-こうして横浜へやってきた-」のフロアーレクチャー(展示解説)に参加することです。千歯こきは、穀物の脱穀に使用する農具で、江戸時代から使われてきた歴史を持っており、企画展では特に千歯の流通に注目する一方、その他にも横浜周辺の千歯も含めてさまざまな資料が展示されていました。この企画展を担当されたのがいつも交流会でもお世話になっている横浜市歴史博物館学芸員の刈田 均さんで、刈田さんから展示資料を前にして、実に興味深い多くのお話しを伺うことができました。

 その後は、紙芝居や落語(落語はプロの方による本格的なものです)、各分野の担当学芸員による常設展示の「通史展示ガイド」など、いろいろな催しにそれぞれ参加して楽しい時間を過ごすことができました。また、博物館で活動している団体である「横浜歴博もり上げ隊」による活動紹介のパネル展示やクイズラリーなども拝見することができ、各地の博物館がまさに市民との協働を深めながら、多彩な活動を行っていることを改めて知ることができました。これからもさまざまな機会を通して、他の博物館やそこを拠点として活動する市民の方々と交流をしていきたいと考えています。

入口では時代衣装を着たスタッフにお出迎えいただきました
入口では時代衣装を着たスタッフにお出迎えいただきました

エントランスホールでは紙芝居も行われました
エントランスホールでは紙芝居も行われました

横浜歴博もり上げ隊の皆様
横浜歴博もり上げ隊の皆様

横浜縄文土器づくりの会が作った立派な土器も展示されていました
横浜縄文土器づくりの会が作った立派な土器も展示されていました

 最後となりましたが、すばらしい機会に参加させていただいた横浜市歴史博物館及び「横浜市歴博もりあげ隊」の皆様にお礼申し上げます。本当にありがとうございました(民俗担当 加藤隆志)。

*横浜市歴史博物館のアドレスは、http://www.rekihaku.city.yokohama.jp/ です。

 

民俗調査会で第2回目の「民俗探訪会」を行いました

民俗調査会会員による説明
民俗調査会会員による説明

 11月14日(水)に民俗調査会Aの活動の一環として第2回目の「民俗探訪会」を行いました。民俗調査会Aは毎月第二水曜日に活動する市民の会で、同様に第四土曜日を活動日とする「民俗調査会B」があってそれぞれ20名以上の方が加わっています。調査会Aは、以前「民俗の窓」でも紹介したように横浜市歴史博物館の「民俗に親しむ会」の皆さんと交流会を行うほか、相模原市内に古くからあった集落を歩くフィールドワークの活動を行っており、その成果を生かして一年に2回ほど「民俗探訪会」を実施しています。民俗探訪会は、「広報さがみはら」や博物館のホームページで会員以外の市民の皆様からの参加者を募集して、担当学芸員である加藤とともに調査会の会員が地域を案内するもので、今回は田名地区の四ツ谷・石神社から相模川沿いの田名八幡宮までのコースを約3時間かけて歩きました。

 当日は21名の参加者(会員9名を含めると総勢30名)があり、博物館で作成した資料を基に歩いていき、ポイントごとに加藤や会員が説明をしました。天候が心配されましたが、穏やかで暖かい陽気の中、無事に実施することができました。今後も基本的には5月と11月に探訪会を行う予定です。その都度、広報などで参加者を募集しますので、ご希望の方の応募をお待ちしております。さらに、民俗調査会の活動にご関心を持たれ、一緒にやってみたいと思われた方も随時、入会ができますので、詳細につきましては加藤までお問い合わせください(民俗担当 加藤隆志)。

時には写真を見せながらの説明
時には写真を見せながらの説明

狸菩薩の見学
狸菩薩の見学

今回のコース:「四ツ谷」バス停~「水郷田名」バス停・午前9時30分集合、午後12時30分解散

①四ツ谷バス停前集合→②石神社(四ツ谷)→③横浜水道道→④山王神社(半在家)→⑤大杉の池(堀の内)→⑥蚕影社・道祖神(堀の内)→⑦烏山藩制札場跡→⑧旧大山道→⑨高田橋(トイレ)→⑩久兵衛土手跡→⑪火の坂(狸菩薩)→⑫白子園稲荷・大鷲神社→⑬田名八幡宮・じんじ石ばんば石(久所<水郷田名>)→⑭「水郷田名」バス停前解散

*民俗調査会Aの平成24年度に実施した横浜市歴史博物館「民俗に親しむ会」との交流会の様子については、1回目はこちら、2回目はこちらをご覧下さい。平成24年3月に実施した民俗探訪会(新磯地区)の様子についてはこちらをご覧下さい。

 

横浜市歴史博物館「民俗に親しむ会」と第二回目の交流会(フィールドワーク)を行いました

解説をする横浜の会員(鶴見神社)
解説をする横浜の会員(鶴見神社)

 本館の「民俗調査会A」に参加されている市民と横浜市歴史博物館の「民俗に親しむ会」の市民の皆さんが交流を図っていることは、これまでにも「ボランティアの窓」に紹介していますが、10月13日(土)に第二回目の交流会を行いました。これは5月27日(日)の相模原市中央区田名地区の合同フィールドワークに引き続いて実施したもので、今回は、相模原側から17名(そのほかに加藤が加わりました)、横浜からは9名(別に学芸員2名)が参加し、ようやく少し涼しくなった風のもと、第一回目とは反対に横浜の「民俗に親しむ会」の方々に案内していただきながら鶴見周辺を歩きました。

当日は、午前9時30分にJR鶴見駅に集合し、まず旧東海道を、冨士塚などが残る鶴見神社(旧の名称は杉山神社)や一里塚を見学しながら進みました。さらに、薩摩藩士が英国人を殺傷した生麦事件にちなむ碑や、魚屋が列を成して並ぶ生麦の通り、「蛇も蚊も」の名称で有名な6月第一日曜日の祭礼の舞台となる神明社及び道念稲荷社、鶴見川の旧河口などを経て、今でもレトロ感あふれる国道駅から鶴見線に乗り込みました。

旧東海道の市場一里塚跡
旧東海道の市場一里塚跡

生麦地区が漁村であったことを伝える水神社
生麦地区が漁村であったことを伝える水神社

鶴見川の旧河口(杭のあるあたり)
鶴見川の旧河口(杭のあるあたり)

 この国道駅では太平洋戦争中に受けた米軍の機銃掃射による弾痕が見られ、今も残る戦争の爪あとが印象的でした。最後に鶴見線終点の海芝浦駅の海浜公園から、現在の鶴見川河口が東京湾に至る遠景を楽しんだ後、出発点の鶴見駅に戻って解散となりました。

国道駅
国道駅

機銃掃射の弾痕(国道駅壁面)
機銃掃射の弾痕(国道駅壁面)

海浜公園から見た東京湾
海浜公園から見た東京湾 

 前回にも紹介したように、横浜市博の「民俗に親しむ会」は足掛け3年をかけて鶴見川をテーマに鶴見川源流からフィールドワークを進めてきた経緯があり、配られた資料も充実しているとともに、ポイントごとの説明も実に的確なものでした。特に鶴見川の埋め立てに伴う河口の変遷や臨海部の開発、低地としての鶴見地区の状況など、実際に会員の方々が自らの足で歩いてまとめた成果は、海がなく、台地上に位置する相模原側の者にとってあまり関わる機会もなかったため、大変興味深いものでした。その意味で今回のフィールドワークは、主に相模原で活動している民俗調査会の会員や私にとっても、自らが生活している地域を相対的に見直す一つのきっかけとなったと思います。また、昼食の際には鶴見名物の「よねまんじゅう」をいただいたり、お互いの市民が親しく話しながら歩いたり、さらに交流を深めた機会となりました。改めて横浜市博物館の「民俗に親しむ会」の皆様にお礼を申し上げます。楽しく、そして行き届いた御案内をいただき、本当にありがとうございました。

今後とも、せっかくできた横浜市歴史博物館の「民俗に親しむ会」と相模原市立博物館の「民俗調査会」との交流を息長く継続していく予定です。その中で、例えば、今年度の横浜から相模原へ、あるいは相模原から横浜へ出かけて合同のフィールドワークを行った活動について、それぞれの館が発行している研究報告で報告するなど、少しでも交流の成果を積み上げていければと考えています(民俗担当 加藤隆志) 。

 

横浜市歴史博物館「民俗に親しむ会」と交流会(フィールドワーク)を行いました

 これまで「ボランティアの窓」の欄でも、多くの市民の皆様が博物館を舞台にさまざまな活動をしていることを紹介してきましたが、こうした博物館での市民の活動はもちろん当館だけではなく、各地の多くの博物館でも積極的に行われています。今回紹介する横浜市歴史博物館の「民俗に親しむ会」もそうした組織の一つです。

 横浜市歴史博物館は当館と同じ平成7年に開館した博物館で、横浜市都筑区の港北ニュータウンの一角にあるその名の通り歴史系の博物館です。「横浜に生きた人々の生活の歴史」を時代ごとに展示する一方、約2000年前の弥生時代中期のむらと墓地が完全な形で発見されたことで著名な大塚・歳勝土遺跡に隣接し、随時、遺跡の解説ボランティアなども行われています。

 横浜の「民俗に親しむ会」は平成21年度に結成され、鶴見川をテーマに鶴見川源流の町田市上小山田から下流に向けてフィールドワークを実施し、23年2月には鶴見区生麦の旧鶴見川河口に到着しており、現在、そのまとめの作業中とのことです。この会の結成に当たっては、私(加藤)もいささか関わりを持っていることもあり、昨年11月に当館で実施した「学びの収穫祭」には「民俗に親しむ会」の皆様も参加され、当館のボランティアの活動についての発表を聞いていただきました。また、「学びの収穫祭」には横浜市歴史博物館のほか、平塚市博物館とパルテノン多摩で活動されている平塚市民及び多摩市民の皆様も参加され、当館を含めた四館の民俗関係の会で活躍されている市民同士がそれぞれの会の状況や特色、課題などを話し合う交流会も開催しました。

 そして、5月27日(日)には横浜から「民俗に親しむ会」の皆様を相模原にお招きし、当館の「民俗調査会A」の会員と合同のフィールドワークを行いました。当日参加されたのは横浜から8名(ほかに学芸員2名)と相模原の15名(別に加藤も加わりました)の総勢26名で、場所は田名地区として四ツ谷集落の石神社から水郷田名方面に歩いていきました。途中、現在でも横浜に水を送っている横浜水道の水道道では横浜と相模原のつながりを改めて確認し、鶴見川とはまた違った相模川の大河の風景は横浜の皆様にも大きな印象を残したようです。全体のコースの設定や当日のポイントでの説明は加藤が主に当たりましたが、相模原の調査会の会員も得意なところでは解説を行い、また、地元の銘菓を振舞ったり、自家製のお菓子を用意した会員もいました。こうして相模原の神社や寺院・石仏などをフィールドワークして、相模原と横浜の違いなどいろいろなことをそれぞれ感じながら、さらに新緑のさわやかな風の吹く中、いろいろなことについて話し合うなど、相互の交流を深める絶好の機会となりました。

 現在、各地の博物館で活発な市民活動が見られ、博物館と市民との協働は特段珍しいことではなく当たり前のこととなりました。これからも各館で行われているさまざまな活動をお互いに認識し、良いところは参考にするなど高め合うことが必要であり、加えて、そうした多彩な活動が多くの博物館で見られることを広く社会にアピールしていくことも重要です。横浜の「民俗に親しむ会」との交流は、次回は10月に相模原の会員が横浜を訪れ、今度は横浜市の皆様に御案内いただくことになっています。このような活動を今後とも他の館も含めて企画していき、さらにより良い展開が図れることを願っています(民俗担当 加藤隆志)。

有名な田名・堀の内にある陽石道祖神を熱心に見る横浜の会員
有名な田名・堀の内にある陽石道祖神を熱心に見る横浜の会員

相模原の会員が説明 (山王坂の徳本上人念仏塔)
相模原の会員が説明
(山王坂の徳本上人念仏塔)

相模原の会員が説明 (「鮎の水郷田名」碑)
相模原の会員が説明
(「鮎の水郷田名」碑)

最後に記念撮影
最後に記念撮影

ボランティアの窓(平成23年度)

Posted on 2014年1月21日 by admin Posted in 博物館の窓, 平成23年度
  • 民俗調査会で「民俗探訪会」を行いました(平成24年3月)
  • 平塚市博物館の「博物館文化祭」発表会に出席しました(平成24年2月)
  • 市民学芸員の活動~盛況だった「繭うさぎ作り」(平成24年1月)
  • 「植物の日ワークショップ」を実施しました(平成23年12月)
  • 大きな収穫のあった「学びの収穫祭」(平成23年11月)
  • 川崎市市民ミュージアム視察(平成23年6月)
  • 鈴木重光関係資料の整理を進めています!(平成23年7月)
  • 標本レスキュー隊、立ち上がる(平成23年5月)
  • 市民学芸員
  • 市民ボランティア研修会を行いました。

民俗調査会で「民俗探訪会」を行いました(平成24年3月)

 現在、多くの市民の皆様が博物館の活動にボランティアとして関わっていただいており、民俗分野にも民俗調査会という市民の会があります。民俗調査会には毎月第二水曜日に活動する通称「民俗調査会A」と、同様に第四土曜日を活動日とする「民俗調査会B」があってそれぞれ20名以上の方が加わっていますが、さる平成24年3月14日(水)に調査会Aの活動の一環として新磯地区の「民俗探訪会」を行いました。

 調査会Aでは、平成23年度の活動の一つとして新磯地区の「散策マップ」を作ることをテーマに置き、実際に博物館の担当学芸員(この記事を書いている加藤です。)とともにフィールドワークを重ねてきました。マップは手軽に持ち運びできるA4サイズで表面に地図、裏面には見所の説明を載せたものとし、新磯地区は広いために、勝坂遺跡と相模川に沿って歩く北部ルートと鳩川の流れに沿った南部ルートの2コースを設定することにしました。

 神社や寺院・石仏など、地域に残るさまざまなものをすべて取り上げることは分量の関係からも当然不可能で、その中から何を選び出し、どのような説明を付けるか、相当に頭を悩ませました。また、両ルートともに半日程度で歩けるものとして、負担の少ないコース設定も考えなければなりませんし、地図化に当たっては例えばトイレの位置なども確認しなければなりません。 このようなことを頭に入れながら数回のフィールドワークを行い、いろいろな苦労や工夫を加えてようやく完成したもののうちの南部ルートを歩いたのが3月14日(水)の民俗探訪会です。

 マップ作成のためのフィールドワークはもちろん会員が歩いたものですが、民俗探訪会では「広報さがみはら」や博物館のホームページで会員以外の市民の皆様からの参加者を募集し、当日は平日の午前中にもかかわらず24名の方のご参加がありました。実際に南部ルートのマップを参加者に配布してそのコースを歩いていき、ポイントごとに学芸員のみならず、中心になって作成に当たった会員も説明をしました。そして、そのほかの会員も開始や終了の際の挨拶のほか、どうしても長くなる歩行の誘導や交通安全への配慮など、事故なくスムーズに進行できるように気を配り、歩いている途中には参加者に気軽に声を掛けるなど、和やかな雰囲気の中で探訪会を実施することができました。

会員で御嶽神社の氏子の方がお祭りの様子などを説明しました。 (御嶽神社にて)
会員で御嶽神社の氏子の方がお祭りの様子などを説明しました。
(御嶽神社にて)

新磯小学校の校庭の大楠 (学校には事前に了解を得て 校庭に入りました)
新磯小学校の校庭の大楠
(学校には事前に了解を得て
校庭に入りました)

最後の挨拶も会員の方の役目です。 「楽しかったですか。」という質問には参加者の方から手があがりました。
最後の挨拶も会員の方の役目です。
「楽しかったですか。」という質問には参加者の方から手があがりました。

探訪会終了後に記念撮影 写真右側に写っている旗は 会員の手作りです。
探訪会終了後に記念撮影
写真右側に写っている旗は
会員の手作りです。

 博物館を舞台に活躍するボランティアの皆様は実に多彩な活動を展開しており、民俗調査会でも市内外を積極的にフィールドワークして自分たちも楽しみつつ、会の活動を博物館の運営の中に生かしていくことを目指しています。今回の民俗探訪会もそうした試みの一つであり、今後も年に何回かは探訪会を実施することを計画しています。その都度、「広報さがみはら」や博物館ホームページなどで参加者を募集しますので、ご希望の方の応募をお待ちしております。さらに、民俗調査会の活動にご関心を持たれ、一緒にやってみたいと思われた方も随時、入会ができますので、詳細につきましてはお問い合わせください。(民俗担当 加藤隆志)。

 

*民俗調査会の方が作成したマップは、このホームページの「どこでも博物館→発見のこみち」から見ることができます。

*散策マップは印刷してお使いください。北部ルートと南部ルートのマップとともに、ポイントごとの補足の説明をしたものと、交通機関や掲載した施設、主なイベントなどを紹介した資料が掲載されています。なお、今回の散策マップに掲載した情報は平成24年(2012)3月段階のものであり、今後、変更される可能性があります。

*散策には、車など、交通安全にお気をつけてお歩きください。見学に際しては、管理者の方や近隣の皆様のご迷惑にならないよう、マナーには充分ご配慮いただきますようお願い致します。

 

平塚市博物館の「博物館文化祭」発表会に出席しました(平成24年2月)

 昨年の11月に盛大に行われた「学びの収穫祭」については、この「ボランティアの窓」の欄でも紹介されていますが、同じような催しが平塚市博物館でも行われています。ちなみに平塚市博物館では「博物館文化祭」(このタイトルは今回からで、これまでは「博物館まつり」)と称して開催しています。平塚市博物館は1976年5月に開館してすでに35年以上の実績を持ち、特に開館当初から市民とともにいろいろな活動を展開しており、その間、多くの成果を積み重ねてきた全国的にも有名な博物館の一つです。当館もまた平塚市博物館と同様に、市民の方々とさまざまな面において協働していくことを目指して活動をしており、実は「学びの収穫祭」も平塚市博物館の「博物館文化祭」に倣って実施しているものです。

平塚市博物館
平塚市博物館

博物館文化祭の看板
博物館文化祭の看板

特別展示室での 各サークルの展示
特別展示室での
各サークルの展示

 今年度の第13回「博物館文化祭」は2月4日から19日を会期とし、期間中は平塚市博物館の特別展示室において博物館に拠点を置く10の市民サークルが日ごろの活動実績や成果を展示しました。さらに、12日(日)の午後からはそのうちの6団体が口頭発表を行って、より具体的に自分たちのサークルの活動について紹介する発表会(別の日に実演を行った会もあります)があり、この発表会に当館の民俗調査会のメンバー10数名が出席させていただきました。

 発表会では、民俗調査会でも馴染み深い石仏や漁村の信仰に係わる内容のほか、古文書や平塚空襲をはじめ、水辺の生き物や星の撮影の仕方など、多彩な発表があり、会場一杯の聴衆の参加のもと、大変熱心な発表がなされました。何より長年、博物館を舞台として実りある活動を平塚市民の方々が着実に行われ、また、楽しんで活動されている様子がよく伝わりました。そして、発表会終了後には、平塚市博物館の各サークルの代表の皆様と当館の民俗調査会のメンバーの交流会があり、お互いの活動の状況や課題について若干の質疑応答や話し合いをするなど、これからの当館の民俗調査会をはじめとした活動を考えていくに際しても刺激的で非常に有意義なものとなりました。

屋上での太陽の観察会
屋上での太陽の観察会

発表会の様子 (民俗探訪会の発表)
発表会の様子
(民俗探訪会の発表)

発表会の休憩時間には 展示解説もありました
発表会の休憩時間には
展示解説もありました

 現在、多くの博物館では市民サークルが結成され、学芸員とともに多彩な活動を行っているものの、こうした情報はどうしても館の内部にとどまってしまい勝ちです。今後とも各館で行われている多くの取り組みを広く紹介していくとともに、それぞれの博物館での情報交換や交流を通じて、博物館と市民との協働をさらに強め、より良い活動を積み重ねて「市民とともに歩む博物館」として一層進んでいくことが求められます。当館としても、今回のような機会を通じて積極的に他の館及び市民の方々と交流をしていきたいと考えています。

 最後となりましたが、「博物館文化祭」に出席させていただいた平塚市博物館と、すばらしい発表をしていただいた市民サークルの皆様にお礼申し上げます。本当にありがとうございました(民俗担当 加藤隆志)。

*平塚市博物館のアドレスは、http://www.hirahaku.jp/ です。

 

市民学芸員の活動~盛況だった「繭うさぎ作り」(平成24年1月)

繭うさぎ
繭うさぎ

 さる1月29日(日)の午前10時から午後4時まで、博物館の地下・大会議室で「繭うさぎ作り」を実施しました。この事業は、参加された方々が蚕が作る繭を使ってうさぎの繭人形を作るもので、これまでもたくさんの繭の用意ができた時に行ってきました(ちなみに今回は、生物担当の学芸員が中心となって昨年飼った蚕が作った繭を使用しました)。毎回好評で、当日は繭の数の都合で先着200名の定員のところ、定員ギリギリの193名もの方にご参加いただきました。

 繭人形の中でも、うさぎは一個の繭で比較的簡単にできる(繭の一部を切ってそれで二つの耳と尾を作り、本体の繭に差し込む。そして、目と口なと゛をマジックインキで書き入れる)ものですが、それでも手順やカッターなどの刃物を使うために多少の危険が伴います。

 当館の繭うさぎ作りは、特に対象の年齢は設けずに、小さいお子様から高齢者までどなたでも楽しく作り、自分で作った繭うさぎは持ち帰ることができることにしているため、作り方を説明するほか、刃物などで手を切ったりしないように注意している人手が必要です。今回は、こうした指導や説明を市民学芸員が担当しました。

 当日は参加者はそれぞれ好きなようにうさぎを作り、みなさん大事そうにご自分の作った繭うさぎをお持ち帰りになりました。また、ご両親や祖父母が蚕や養蚕について子どもに一生懸命にお話している微笑ましい様子や、中には繭うさぎを作ることとは別に、市民学芸員とかつての養蚕の様子などをしばらく話し込む参加者などもいて、終始和やかな雰囲気で実施することができました。博物館では、今後とも市民学芸員と力を携えて、展示や教育普及などさまざまな活動を行っていきます(民俗担当 加藤隆志)。

参加者に教える市民学芸員 (黄色のジャンパーを着ています)
参加者に教える市民学芸員
(黄色のジャンパーを着ています)

できた繭うさぎを指にはめてみました
できた繭うさぎを指にはめてみました

 

「植物の日ワークショップ」を実施しました(平成23年12月)

 ワークショップの様子
ワークショップの様子

 毎月1回行われる「博物館の日」(ほぼ第4日曜日に実施しています。)。各専門分野がワークショップや講演会などを実施しています。12月25日は、「植物の日」。博物館を拠点に活動するボランティアグループ、相模原植物調査会が中心となり、落ち葉を使ったワークショップを行いました。

 年末ということもあり、2012年のカレンダーを落ち葉でデコレーションする工作が、この日のメニューです。事前にさまざまな形や色の落ち葉を調達したのも、調査会のみなさんです。当日は都合で参加できないからと、たくさんの落ち葉を持参してくれた方もいました。

 博物館に来られたお客さんが、ふらりと立ち寄って季節感のある素敵なカレンダーを作って行かれます。親子連れで参加して、いつのまにか子どもよりもお父さんお母さんが夢中になっていたり、じっくり取り組みすぎて、プラネタリウムの時間に遅れそうになったりと、楽しくにぎやかに一日が過ぎました。調査会のみなさんは、さりげなく参加者に語りかけ、落ち葉の使い方をアドバイスしたり、葉っぱの種類を教えてあげたりします。

ボランティアさんの指導により 落ち葉でデコレーション
ボランティアさんの指導により
落ち葉でデコレーション

参加者の作品 1
参加者の作品 1

参加者の作品2
参加者の作品2

 調査会では、ふだんはかなり専門的な植物調査を行っています。市域を中心に野生植物を採集し、押し葉標本にして採集データとともに博物館へ納めるという地道な作業ですが、これには高度な専門性と技術が要求されます。でも、みなさんがこうした活動に加わったきっかけは、例外なく「植物が好きだから」です。落ち葉の美しさ、形の楽しさをいちばんよく知っているのも、調査会のみなさんです。楽しそうに作業する参加者を見つめるやさしいまなざしがあるからこそ、こうしたワークショップが成り立っています。(生物担当 秋山)

 

大きな収穫のあった「学びの収穫祭」(平成23年11月)

 11月19日(土)と20日(日)の二日間、「学びの収穫祭」と題して研究活動の発表会を行いました。博物館を拠点に活動するボランティアグループや、学芸員が活動を支援する中学や高校の自然科学系の部活動など、市民がみずから調べ、活動する様子を口頭発表と展示・ポスター発表で紹介しました。

 19日は中学、高校の発表会。今、自然科学系の部活動がある中学や高校は、市内でも数えるほどです。運動部や音楽系の部活動と異なり、活動の発表の場が少なく他校との交流も限られている中で、顧問の先生の熱意でわずかな部が存続しているのが実情です。ならば、博物館が発表の場の一つを設けましょうということで、「学びの収穫祭」に学校の発表の時間をつくりました。呼びかけに応じてくださった上溝中学校科学部、光明学園相模原高等学校理科研究部、相模原青陵高等学校地球惑星科学部ほか、都立日野高等学校地学部が、それぞれ若い感性のすばらしい発表を披露してくれました。また、さがみはら水生動物調査会からの発表者は中学生だったため、同じ時間帯で発表していただきました。

展示の準備
展示の準備

高校生による口頭発表
高校生による口頭発表

 20日は博物館を拠点に活動するボランティアグループや、協働で調査、研究を行う他機関のボランティアグループ、大学などの発表です。歴史、考古、民俗、生物、地学、博物館での普及活動など内容は多岐にわたりましたが、「市民がみずから活動する」というスタンスは共通です。どの発表も意欲的な活動のようすを垣間見ることができて、また、お互いの活動のようすを知り、大きな刺激を受けました。

 ポスター発表と展示のコ-ナーでは、口頭発表をフォローアップするポスターに加えて体験コーナーなどもあり、発表者や観覧者がお互いに積極的に意見を交換し合うなど活気に満ちた発表会となりました。

 口頭発表の様子(一般)
口頭発表の様子(一般)

ポスター発表と展示コーナー
ポスター発表と展示コーナー

拓本の体験コーナー
拓本の体験コーナー

 じつはこの発表会、今年3月に実施する予定でしたが、東日本大震災の影響で中止となりました。仕切り直していく中で、時期を秋にして学校が参加しやすく、そして、博物館の開館記念日に合わせてより規模の大きなものにしようと企画をふくらませてきたものです。発表会のすばらしいタイトル「学びの収穫祭」も、ボランティアグループの代表のみなさんが集まる場で生まれたものです。このイベントはこれから、博物館の普及教育事業の柱の一つとして続いていくことでしょう。今年はその記念すべき節目の年となりました。

(担当 秋山幸也)

 

川崎市市民ミュージアム視察(平成23年6月)

 6月22日(水)市民学芸員の研修として、川崎市市民ミュージアムを視察しました。

ボランティア制度等の説明
ボランティア制度等の説明

 午前中はボランティア制度の説明と、ボランティアとして活動している方のお話を伺いました。実際に活動している方のお話は大変参考になり、担当者としても、もっとこの時間をメインに構成しても良かったかも、とやや反省。

 午後は常設展示室と企画展(岩合光昭どうぶつ写真展)の展示解説。学芸員の方々に大変熱のこもった解説をしていただき、内容の濃い研修となりました。

 長時間にわたる視察に快く応じていただいた、川崎市市民ミュージアムの職員とボランティアのみなさん。本当にありがとうございました。

 展示観覧 (河童の説明を受けているところ)
展示観覧
(河童の説明を受けているところ)

 全体を通して、何よりボランティアという同じ立場の方のお話が、非常に刺激になったようです。研修後に回収した感想でも「来館者と直接関わる重要な役割であり、その活動が定期的にある事がすばらしい」「展示物についてのガイドは、かなりの研修を積まないとやれないものだと納得」「ボランティア募集が活動別になっていて、参加しやすそう」「自発性、独立性が重視されている」など、ボランティアに関するものが多く、相模原市立博物館での、これからの活動を進めていく上で大変有意義であったといえるでしょう。(学芸班 木村知之)

 

鈴木重光関係資料の整理を進めています!(平成23年7月)

  現在、鈴木重光氏が寄贈し津久井郷土資料室に保管されている資料の整理作業を、市民学芸員の有志の皆さんが行っています。

鈴木重光資料整理の様子1

鈴木重光資料整理の様子2
鈴木重光資料整理の様子2

 鈴木重光は、緑区若柳の奥畑に生きた民俗学研究家です。明治21(1888)年に生まれ、日本民俗学の生みの親である柳田国男に師事しました。津久井地域の歴史・民俗資料を収集・研究し、大正13(1924)年『相州内郷村話』をまとめています。昭和42(1967)年に亡くなって以降、生前に集めた膨大な資料群をどうするかが検討され、旧津久井郡4町の文化財保護委員を中心に一部の資料について整理が行われました。それら鈴木重光収集資料に、津久井湖建設に伴う水没地で収集された生活資料を併せ、昭和46年に開設された津久井郡郷土資料館(相模原市との合併により「相模原市津久井郷土資料室」に名称変更)に収められました。

 今回は、これらの資料のうち、これまで整理が行われていなかったものを対象に整理を進めています。資料の内容は、チラシやポスター、会議資料、葉書、書簡、原稿、メモなど多岐にわたっています。毎月2回程度を作業日として、一点一点内容を確認し、一覧表を作っていく地道な作業です。また、5月にはフィールドワークとして、鈴木重光の生家及び相模湖周辺の史跡等を踏査しました。

 11月には、整理作業の成果を含め、鈴木重光に関する企画展示を行う予定です。ご期待ください。(歴史担当 井上 泰)

 

標本レスキュー隊、立ち上がる(平成23年5月)

 東日本大震災の被災地のために、なにをすべきか。そう自問しながらも、すぐに現地へ駆けつけることもできないし、支援物資を送ろうにも、個人のレベルで送れるものが現在のニーズに合っているかわからない・・。こうしたジレンマを抱えている方がとても多いのではないでしょうか。そんな中、植物を専門に扱う当館のボランティアさんたちが、これまでに培った専門技術と知識を生かして、被災した植物標本のレスキューに立ち上がりました。

津波の被害を受けた植物標本
津波の被害を受けた植物標本

 東日本大震災で大津波の被害を受けた陸前高田市立博物館(岩手県)は、6名の職員全員が死亡、または行方不明のままで、建物内部も壊滅状態です。このような中、4月末に岩手県立博物館の学芸員や陸前高田市立博物館の元職員が、がれきに埋もれた博物館資料の救出にあたりました。

 

  その中には約10,000点の植物標本が含まれていて、これは地元出身の博物学者、鳥羽源蔵が昭和初期やそれ以前に採集した貴重な標本を中心に構成されています。幸い、ほとんどは1枚ずつビニール袋がかけられていたため、完全に破損しているものは少なかったものの、海水と泥をかぶり、すでにカビなどの発生がみられる標本が半数以上にのぼりました。そこで岩手県立博物館では、全国の学芸員のネットワークを使って植物標本を扱える博物館、植物園などに標本の救済作業への協力を呼びかけました。

作業手順を確認
作業手順を確認

 相模原市立博物館では、植物分布を調査する専門ボランティアグループである相模原植物調査会が博物館を拠点に活動しています。会員のみなさんは担当学芸員を通じてこの呼びかけに応え、まず300点の標本を引き受けることにしました。5月31日に博物館の実習実験室に集まった6名のボランティアさんたちは標本を前に黙祷したあと、早速標本を開封して状態を調べました。現在、標本の状態に応じた手当の方法を話し合いながら慎重に作業を進めているところです。

慎重に洗浄作業を行う
慎重に洗浄作業を行う

 今回の震災では、文化財や学術資料も少なからず被災しています。人的被害のあまりの大きさに、まだまだこれらの被害の多くは実態すらつかめていないのが現状です。しかし、地域のアイデンティティーであるこうした資料を救済していくことが、被災地の長期的な復興に不可欠であり、今後の大きな課題になることは間違いありません。博物館のボランティアさんたちの今回の取り組みは、今住む地域にいながらできる、専門を生かした支援として、これから注目されていくことでしょう。(生物担当 秋山幸也)

 

市民学芸員

 博物館には、市民学芸員制度があります。この制度は平成19年にスタートしましたが、前身である「展示活動協力員」を発展させたもので、「市民と博物館が協働で展示や教育普及活動を行うこと」を目的にしています。希望者は博物館が主催する研修を履修することで登録することができます。

 研修の総仕上げとして、常設展示を活用したクイズラリーを毎年行ってきました。

 クイズラリーの参加者は、受付でクイズが書いてあるシートをもらい、展示を見ながら正解の番号をチェックしていき、全問正解で「認定証」と記念品がもらえます。子どもたちにとっては展示室を回ってクイズに答えることで、楽しみながら学習でき、オマケまでついてくる楽しい企画ですが、クイズラリーの準備には大変な手間がかかっています。

 クイズを作るには、市民学芸員自らが、展示室をくまなく歩き、展示の意味を理解しなければいけません。次に、その中からクイズになりそうな事柄を拾い上げ、文章化し、写真を添えます。いくつも作ったクイズのなかから選りすぐりをまとめ、担当学芸員の監修を受けます。修正を加えて、出来上がったクイズをもとに、市民学芸員が問題用紙や解答用紙はもちろんのこと、ときには記念品もをつくります。これらの作業は、どんなに短くても2か月から3か月かかります。

 博物館というと硬いイメージがつきまといがちですが、このようにボランティアが心をこめて作っているイベントもあります。もし参加される機会があったら、そんなことをちょっと思い出してみてください。

 平成22年度は、クイズラリーを8月22日(日)と2月27日(日)の2回実施しました。8月は326人、2月は212人がクイズラリーに参加してくれました。

市民学芸員の活動の様子

 黄色いジャンバーが市民学芸員の目印です。「学習資料展」と同時開催される「昔の遊び体験」ではもちろん、昨年(平成22年)小惑星探査機「はやぶさ」のカプセル展示の際には来館者の誘導に大活躍でした。

クイズラリーの様子
クイズラリーの様子

はやぶさカプセル展示の様子※
はやぶさカプセル展示の様子※

「昔の遊び体験」の様子
「昔の遊び体験」の様子

※ 「昔の遊び体験」の様子 ※当館の小惑星探査機「はやぶさ」のカプセル展示は、平成22年7月30日~31日で終了しています。

 

市民ボランティア研修会を行いました。

 平成23年4月20日(水)午後1時~4時30分まで、博物館の大会議室でボランティア研修会を行いました。これは、博物館を拠点に活動するボランティアグループのみなさんに、博物館の調査・研究活動への理解を深めていただくために企画したものです。考古、民俗、歴史、生物、地質の各専門分野の学芸員が、最新の調査・研究のトピックを紹介しました。

 また、天文分野は、4月16日にリニューアルオープンしたばかりの天文展示室で展示解説を行いました。

 さらに、相模原市から大船渡市へ被災地支援活動のために派遣された秋山学芸員から、被災1週間後の大船渡市のようすについて報告がありました。

 各分野の発表内容タイトルは次のとおりです。

  •  考古分野(河本学芸員) 「津久井地域の遺跡調査」
  •  民俗分野(加藤学芸員) 「津久井地域の祭礼行事」
  •  歴史分野(土井学芸員) 「歴史分野の現状と課題」
  •  生物分野(秋山学芸員) 「絶滅危惧種から見る相模原市の特色」
  •  地質分野(河尻学芸員) 「相模原の台地の成り立ち」
  •  天文分野(上原指導主事・有本主査) 「リニューアルした天文展示室」
  •  被災地派遣報告(秋山学芸員)
スライドを使った講義
スライドを使った講義
熱心に話を聴くボランティアの皆さん
熱心に話を聴くボランティアの皆さん

市史の窓(平成24年度)

Posted on 2014年1月21日 by admin Posted in 博物館の窓, 平成24年度
  • 市史講演会を開催!(9月23日)
  • 津久井町史調査報告書を刊行!!

市史講演会を開催!(9月23日)

講演中の山本先生
講演中の山本先生

 9月23日(日)に相模原市史講演会を実施し、今年(平成24年)3月に刊行した市史『考古編』の執筆者の一人、山本暉久(てるひさ)さん(昭和女子大学教授)に「相模原市の縄文遺跡」をテーマに縄文時代を熱く語っていただきました。

 当日は、悪天候にもかかわらず、100名の熱心な考古ファンが集まり、終了予定時間を越えて深く聞き入っていました。

 「縄文時代とはどういう時代か」に始まり、神奈川県域の縄文遺跡を概観した上で、相模原市内の遺跡の特徴を明らかにし、考古編の成果と課題を確認、相模原市内の主な縄文遺跡について説明をしていただきました。

 盛りだくさんの内容を語る中で、縄文時代中期の大規模集落の形成と人口の増加や減少、中期の環状集落から後期の柄鏡形(えかがみがた)敷石住居への鮮やかな転換など、縄文時代の不思議が語られ、聴講者を魅了しました。

 また、少しでも興味を持ってもらうため、大会議室前のホワイエに、縄文土器や石器の展示ケースを設置するとともに、遺跡の写真パネルなどを展示しました。

 次回の市史講演会は、3月24日(日)に現代の市内の商業施設の変遷などを対象にした講演を行う予定です。(市史編さん班:井上 泰)

展示パネル
展示パネル

津久井町史調査報告書を刊行!!

 津久井町史編さん事業の中では、今年度刊行を予定している自然編の基礎資料を得るため、動植物の調査を継続的に進めてきました。そしてその成果は、津久井町の昆虫Ⅰ・Ⅱとして既に報告し、平成24年3月には『津久井町の昆虫Ⅲ』と『津久井町の植物』を発行しました。

『津久井町の昆虫Ⅲ』では、今までに報告できなかった分類群や新たに発見された種類なども記述され、Ⅰ~Ⅲにより約5,100種類の昆虫が記録されていることを報告し、『津久井町の植物』では、植物分野担当の自然部会員が、旧町内を歩いて観察、確認した植物638種を紹介しています。

ホームページの町史刊行物のコーナーから、各報告書の基礎となったデータベースをダウンロードすることができますので、興味のある方は是非ご覧になってください。

(町史担当:守屋博文)

オオセイボウ
オオセイボウ
ミツバツツジ
ミツバツツジ

市史の窓(平成23年度)

Posted on 2014年1月21日 by admin Posted in 博物館の窓, 平成23年度
  • 津久井の撚糸(ねんし)や水車の話を聞きました

津久井の撚糸(ねんし)や水車の話を聞きました

 夏の暑さが残る9月15日(木)、「串川流域の撚糸業」をテーマとした座談会が津久井町史編さん会議室で開かれました。この座談会は、津久井町史の機関誌『ふるさと津久井第5号』(平成24年3月刊行予定)で「養蚕と織物」の特集を組むにあたって企画したものです。

 「撚糸」とは、1本または2本以上の生糸を引きそろえて撚り(より)をかける(ねじりあわせる)ことをいいます。絹織物はおよそ養蚕→製糸→撚糸→染色→製織という工程を経て作られ、撚糸の工程では、織物の種類など用途にあわせて撚り方や太さを調整しながら、細い生糸を撚りあわせて織物用の糸を作ります。

 撚糸といえば愛川町の半原地区が有名ですが、もともと養蚕・製糸や製織が盛んだった津久井地域でも、明治~昭和にかけて、串川流域を中心に撚糸が盛んに行われるようになりました。明治~大正頃には、撚糸の機械を動かす動力として水車が利用され、串川流域には130台以上の撚糸用水車があったことが近年の調査で確認されています(津久井町文化財保護委員会編『つくい町の水車』、平成16年)。

 しかし、動力が水力から電力に変わり、撚糸業が衰退した現在では、串川流域に残る水車は一つもなく、かつて盛んだった撚糸を知る人も少なくなりました。

座談会の様子
座談会の様子

 そうした中、撚糸に関する座談会を企画し、ご出席いただける方を探したところ、串川流域にお住まいで撚糸関連の仕事に携わった経験のある4名の方が集ってくださいました。2時間にわたる座談会では、沼謙吉氏(津久井町史編集委員会近代・現代部会長)の司会のもと、出席者の皆さんから、串川沿いにあった水車のこと、撚糸の機械のこと、生産していた糸や販売先のことなど、自らの経験に基づく貴重なお話をうかがうことができました。

 また、座談会の前週に開かれた津久井町史懇話会においても、座談会の内容に関連して、津久井地域の水車のお話をうかがう機会を得ました。ここでも、地元に詳しい皆さんから、水車があった場所やその用途、水車を修理する機械大工の話など、興味あるお話をうかがうことができました。

 この座談会の内容を地域の皆さんにお伝えするとともに、記録として後世に残していくため、現在、『ふるさと津久井第5号』への掲載に向けた編集作業を進めています。また、町史懇話会でのお話は、座談会の記事をまとめる際の参考とするとともに、地域に関する貴重な情報源の一つとして活用するため、テープ起こしの作業を行っています。

 普段当たり前にあることは、記憶には残っても記録には残りにくいものです。仮に、書類や写真が残ったとしても、それが大事と思われなければ、いずれなくなってしまうことでしょう。今回、たくさんのお話をうかがう中で、これからも多くの人やモノや自然に触れ、地域にとって大切なもの、将来に伝えたいことを見逃さないようにしたいと感じています。(町史担当:草薙由美)

市史の窓(平成22年度)

Posted on 2014年1月21日 by admin Posted in 博物館の窓, 平成22年度
  • 社寺文化財調査(泉龍寺、望地弁天堂)(平成22年12月)
  • 丹沢稜線部の昆虫類調査(津久井町史自然編)(平成22年10月) 
  • 市史を作るために調査します(平成22年7月) 

社寺文化財調査(泉龍寺、望地弁天堂)(平成22年12月)

 博物館市史編さん班では、市史『文化遺産編』に収録する彫刻、日本画などの社寺文化財調査を行っています。

 ここでは、昨年度の調査から南区上鶴間本町にある泉龍寺と中央区田名・望地弁天キャンプ場内にある望地弁天堂を紹介します。

泉龍寺の三重塔 (南区上鶴間本町)
泉龍寺の三重塔
(南区上鶴間本町)

 泉龍寺では、涅槃図、十王図などが調査対象として拝見することができました。また、この寺院には、昭和62年に建造された三重塔があり、市内ではここだけと思われます。その圧倒的な存在感からはそれ以上の歳月の流れをも感じさせます。山門は古くからあるもので、その両脇には阿形像、吽形像一対の仁王像が安置されています。

 望地弁天堂の祠 (中央区田名)
望地弁天堂の祠
(中央区田名)

 望地弁天堂の祠は、桧皮葺(ひわだぶき)の立派なもので、市指定文化財である弁才天が安置されています。管理をされている方の話では、その方が以前古老から聞いた言い伝えによると、弁才天には3姉妹説があり、長女が江の島の弁才天で、望地が次女、三女は鹿児島の方に安置されているとのことでしたが、現在ではその話を伝承できる人はいないそうです。

(市史担当:佐藤洋二)

 

丹沢稜線部の昆虫類調査(津久井町史自然編)(平成22年10月)

 今年(2010年4月)から、津久井町史刊行の業務が博物館に加わりました。今までに資料編として「考古・古代・中世」、「近世1」、「近代・現代」の3巻が刊行されていますが、今後も「資料編近世2」、「自然編」などを刊行していく予定です。

檜洞丸(ひのきぼらまる)方向から大室山を望む
檜洞丸(ひのきぼらまる)方向から大室山を望む

 自然編を刊行するための基礎調査では、特別な許可を得て丹沢稜線部の昆虫類調査も実施しました。稜線部を歩きながら、ここも相模原市なのかと思わせる自然豊かな光景が広がり、本市の自然の多様性に驚きます。一方、さまざまな要因で枯れていくブナの大木や崩落した緑地を目にすると、調査結果をどう伝え、どのように読んでもらうのか、自然編刊行の大きな責任を痛感します。(町史担当:守屋博文)

 

市史を作るために調査します(平成22年7月)

 市史を編さんする担当になって驚いたことがあります。それは市史を編さんするために多くの調査が行われていることです。

例えば「考古編」ですが、過去に行われた調査を集約すれば作れるものだと思ってしまいがちです。もちろん過去の調査を利用するものもたくさんあります。しかし実際には、市史編さんをきっかけにした調査が行われているのです。

 先日も、市内上矢部にある土塁に置かれていた石造物の一部について調査を行いました。このような調査の積み重ねが、市史を作っていく上で、欠かせないことなのだと実感しました。(市史担当:塩谷裕久)

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天文の窓(平成24年度)

Posted on 2014年1月21日 by admin Posted in 博物館の窓, 平成24年度
  • “さがぽん”(平成24年2月)

“さがぽん”(平成24年2月)

“さがぽん”をご存知でしょうか?柑橘系の新品種ではありません。 2011年4月から、土曜日、日曜日、祝日及び特別上映期間(夏休みなど)に、こども向けプラネタリウム番組の投影を始めましたが、この番組のキャラクターとして登場したのがタヌキの“さがぽん”です。

ぬりえ
ぬりえ

 誕生以来2年余りになりますが、“さがぽん”をより多くの方にPRし、親しんでいただこうと、様々なグッズが登場しています。ぬりえ、缶バッチ、紙粘土製の人形やスタンプ、市民学芸員(=博物館ボランティア)さん手作りのワッペン、ぬいぐるみ、そして“なりきり”さがぽん撮影コーナーには、着用できる帽子と尻尾も用意されています。お子さまには大好評。大人の方も、恥ずかしがりながらも撮影していらっしゃいます。ご来館の際は、ぜひご利用ください。

こども向けプラネタリウム番組は、“さがぽん”シリーズ第3弾「おしえて!さがぽん お日さまって なに色?」を投影中です。前半に今晩見える星や星座についてご案内し、後半は“さがぽん”といっしょにお日さまの光についての様々な疑問について考える内容になっています。幼児から小学校低学年までのお子さまとご家族が一緒に楽しめる番組です。

また、“さがぽん”の愛称をツイッターや博物館の太陽望遠鏡で撮影した画像をインターネットでライブ配信するsagapon TV など、活躍の場が広がってきており、今や当館のイメージキャラクターと化しています。

これからも、“さがぽん”をよろしくお願いします。

(天文担当 有本)

缶バッチ
缶バッチ

3D
3D

スタンプ
スタンプ

ワッペン
ワッペン

ぬいぐるみ
ぬいぐるみ

なりきりさがぽん
なりきりさがぽん

天文の窓(平成23年度)

Posted on 2014年1月21日 by admin Posted in 博物館の窓, 平成23年度
  • “十三夜”のお月見
  • 天文展示室リニューアルオープン(平成23年4月)

“十三夜”のお月見

 今年は、“十五夜”のお月見をされた方も多かったのではないでしょうか?

 天候の不順な日が続く中、平成23年9月12日(月)は、めずらしく晴れ渡った空に、まんまるのお月さまがとてもきれいでした。

 ところで、お月見のお手本にした中国にはない習慣が、わが国にあります。“中秋の名月”のひと月後、旧暦九月の“十三夜”の月を愛でるもので、“後の月”(のちのつき)とも言います。

 なぜ、“十三夜”なのか、その由来は、諸説ありますが、“十五夜”は、秋の長雨の時期で、雲間に見るなど、すっきりしない天気が多いのに対して、“十三夜”の頃になると、「十三夜に曇り無し」という言葉があるように、晴れることが多いようです。また、日本人独特の美意識にも関係がありそうです。

 中学、高校の「古典」の定番『徒然草』の137段は、こう始まります。

 「花は盛りに、月は隈(くま)なきをのみ見るものかは」

 (訳)桜の花は満開のときばかり、月は満月ばかりを見るものか? いやそうではない。

 作者吉田兼好のみならず、不完全なもの、未完のものの持つ美しさを理解する日本人だからこそ、生まれた習慣なのかもしれません。

 平成23年は、10月9日(日)が“十三夜”にあたります。(天文担当:上原徹也)

 

天文展示室リニューアルオープン(平成23年4月)

リニューアルオープンした天文展示室
リニューアルオープンした天文展示室

 財団法人日本宝くじ協会の助成を受けて、平成22年12月から平成23年3月までの間、整備工事を実施した天文展示室が『宇宙とつながる』をテーマとして、4月16日(土)にリニューアルオープンしました。

 博物館の立地環境からJAXAとの連携により、他市の科学館・博物館にはあまり事例がない実物の天体観測機器等の展示の実現が、このリニューアルの命題のひとつでしたが、小惑星探査機「はやぶさ」に搭載されたイオンエンジンの開発初号機や実際に宇宙空間で観測をして地球に戻ってきた宇宙赤外線望遠鏡(IRTS:アーツ)などの貴重な資料を借用し、展示することができました。

 その他、本物の隕石の展示など宇宙とのつながりを考えるヒントが詰まった展示構成となっており、博物館において“宇宙とつながる相模原”を実感できると思います。

 また、リニューアルに伴い、リニューアル前の天文展示室のシンボル的な展示だった大型地球模型を能代市子ども館へ無償譲与することとなり、去る6月26日には現地にて除幕式が行われました。「銀河連邦」の構成員である能代市の子どもたちに夢を与える贈り物ができたことは、大変うれしく思います。(天文担当:有本雅之)

天文の窓(平成22年度)

Posted on 2014年1月21日 by admin Posted in 博物館の窓, 平成22年度
  • 「はやぶさ」カプセル展示を振り返って(平成23年1月)
  • 宙(そら)からの贈りもの(平成22年11月)
  • 宙(そら)を望む(平成22年10月)
  • “宇宙につながる 相模原”(平成22年7月)

「はやぶさ」カプセル展示を振り返って(平成23年1月)

 相模原市立博物館とJAXAとの連携事業についての記事が、「博物館研究」第46巻第1号(平成22年12月25日 財団法人日本博物館協会発行)に掲載されました。「博物館研究」は、全国の博物館活動に関する研究論文・報告・展示案内等について普及・啓発することを目的として毎月発行されています。

 掲載記事は、当館建設当時の様子も含めて、小惑星探査機「はやぶさ」カプセル世界初公開の顛末をメインにした内容となっています。(天文担当:有本雅之)

 「宇宙航空研究開発機構(JAXA)との連携事業-小惑星探査機「はやぶさ」カプセル世界初公開」
(出典:博物館研究Vol.46 №1)(PDFファイル 355KB)

 

宙(そら)からの贈りもの(平成22年11月)

 当館は、今年11月20日に開館15周年の節目をむかえました。これを記念して11月20日(土)、21日(日)の2日間、プラネタリウム等で記念事業を開催しました。

当日エントランス
当日エントランス

 11月20日は、エレクトーン演奏家 神田 将(ゆき)さんによるプラネタリウムコンサート「宙(そら)からの贈りもの」を開催しました。神田さんがたったひとりで奏でる“フルオーケストラ”をほうふつさせるような迫力のあるエレクトーンのサウンドが満天の星空に響きわたりました。本市のシティセールスコピー「潤水都市 さがみはら」があらわす水と豊かな自然をイメージした楽曲と当館学芸員・スタッフが撮影した映像との共演や星空解説時の即興演奏もあり、その場限りの贅沢なBGMで満天の星空を堪能することができました。

 

プラネタリウムコンサート風景
プラネタリウムコンサート風景

  11月21日は、3つの記念事業を開催しました。東京造形大学によるワークショップ「みんなでわっしょい宇宙みこし!~宇宙の彼方へさぁ行こう!~」では、小学生たちが創意工夫により宇宙船を模したみこしを考案・製作し、JAXA宇宙科学研究所に展示してあるロケットの前まで練り歩きました。宇宙科学研究所の阪本成一教授によるオモシロ楽しい宇宙の話には、目を輝かせていました。子どもたちが宇宙への憧れや夢を抱く、よいきっかけになったものと思います。

JAXA宇宙科学研究所のロケット前にて
JAXA宇宙科学研究所のロケット前にて

 プラネタリウムにおいては、女子美術大学による「こどもアニメーションフェスティバル」の優秀作品と、当館が開催した「子どものためのワークショップ 生きものアニメーションをつくろう」の参加者が作った作品の上映会、そして武蔵野美術大学学生によるパフォーマンス「ライツ・オブ・ディスタンス」を行いました。

 今回の記念事業は、大学や研究機関との連携によるプラネタリウムの取り組みなど、今後の博物館事業への手がかりとなりました。(天文担当:有本雅之)

 

宙(そら)を望む(平成22年10月)

 博物館の屋上には、ドームの直径が6mの天体観測室があります。その中に置かれているのが県内最大級の口径40cmカセグレン式反射望遠鏡(焦点距離6m)です。直径40cmの鏡(凹面鏡)で宇宙からの光をとらえます。集光力(=肉眼に対してどれくらい光を集められるかを表した数値)は何と約3,265倍!パソコンによって暗い天体も自動で正確にとらえることができます。

天体観測室
天体観測室

 口径40cmカセグレン式 反射望遠鏡
口径40cmカセグレン式
反射望遠鏡

  金曜日に行っている星空観望会(事前申込制(*))では、この望遠鏡のほか、移動式の口径30cmシュミット・カセグレン式反射望遠鏡や大型の双眼鏡などを用いて、季節の代表的な星座や、惑星・月などを楽しんでいただいています。

夜の観測テラス(奥は天体観測室)
夜の観測テラス(奥は天体観測室)
星空観望会の様子
星空観望会の様子

 開館以来、今年9月に開催回数366回、参加者数は延べ14,273人になりました。これまでは、8月開催分を除き、抽選をすることなくご参加いただけましたが、今年は例年と様子が違い、8~10月開催分の3ヶ月連続で抽選(倍率2~3倍)という状況です。これも、小惑星探査機「はやぶさ」の話題をきっかけにして、天文、宇宙への興味関心が高まっていることの表れなのかも知れません。「はやぶさ」がもたらしてくれた嬉しい効果のひとつです。(天文担当:有本雅之)

*星空観望会は、開催月の前月の1日~15日までの期間に参加者を募集します。詳しくはこちらをご覧ください。

 

“宇宙につながる 相模原”(平成22年7月)

90-06tenmon220701 90-06tenmon220702 地球が誕生した46億年前の記憶を探るため、小惑星の表面から物質のサンプルを採取し、地球に持ち帰る使命を与えられた探査機「はやぶさ」は、幾多のトラブルを乗り越え、約7年、60億kmの長旅から地球に帰ってきました。数々の世界初の偉業を成し遂げた「はやぶさ」本体は、2010年6月13日深夜、大気圏突入で燃え尽きてしまいましたが、「はやぶさ」の活動は、今も私たちに夢と希望と感動を与え続けています。

 7月30日、31日には、JAXA相模原キャンパス特別公開の目玉企画としてカプセルなどが博物館で世界初公開され、2日間で延べ3万人がご覧になりました。壮大な宇宙へのロマンを感じた人もいらっしゃるのではないでしょうか?観覧を待つ人の列は、炎天下にもかかわらず、終始途切れることなく最大で約4時間待ちとなり、「はやぶさ」人気を改めて実感しました。

はやぶさのカプセルの展示風景 カプセル見学のための長蛇の列  「はやぶさ」地球帰還に先駆けて5月21日に打ち上げられた、金星探査機「あかつき」、宇宙ヨット「IKAROS」などの相模原生まれの探査機が次々と開発・運用されています。太陽系や生命の起源・進化に迫るべく、「はやぶさ」に続く「はやぶさ2(仮称)」ミッションが計画されるなど、相模原は宇宙につながる世界的なまちなのです。(天文担当:有本雅之)

90-06tenmon220704

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