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Posted on 2015年5月5日 by admin Posted in 博物館の窓, 平成26年度

あの朝ドラは終わったけれど…~白蓮吟歌の真実(平成26年12月)

 前回記事が引き金となったかは定かではありませんが、今年の石老山周辺は相模ナンバー以外の車が普段より多く見受けられたようです(墓マイラー!?)。そんな現地の状況に似たことが、私の元でも起こりました。出版社などからの頻繁な問い合わせのほか、記事内容の真偽を説く御教示も寄せられ新たな事実を知ることができました。連投となりますが、御案内しておきたいと思います。

 それは、お伝えした白蓮の一首「ほろびたる ものは美(うるわ)し 紫の 野菊そよげり 古城のほとり」についてでした。大阪・堺市の閲覧者様から頂戴した懇切丁寧なお便りには、吟歌の創作時期や舞台となった御実家のようすが記され、疑う余地のない真実が浮かび上がりました。次に要約します。

 ・戦後混乱期、東京の大伯母が白蓮を連れて岐阜県土岐町(現瑞浪市土岐町)の大地主であった御実家に逃れ住んだ昭和21年春の作(隣家住人の手紙もそれを証明)。

 ・御実家眼前には滅亡した土岐氏の居城・鶴ヶ城跡がある山がそびえている。

 ・白蓮の寓居となった御実家離れから眺望できる鶴ヶ城跡の風情を詠んだ。

 ・「紫の野菊」とは、土岐氏の家紋に使われた桔梗のこと(旧土岐郡域の市花も桔梗)。

 ・「古城のほとり」とは、仮住まいを得た周辺一帯(鶴城地区)を指す。

 ・御実家には白蓮自筆の短冊と色紙が保存され、確かな証拠となっている。

 白蓮短冊

 

白蓮色紙

白蓮直筆の短冊と色紙(大きさ不同)

※堺市在住の閲覧者様提供&掲載許可(転載厳禁)

 以上の内容から、“慈母の会運動開始直前の事歴” “オリジナルのロケーション” “支援した人々の存在”などが明らかとなりました。翻って前回参考の文献も取材調査に基づいて著されたとした場合、こんなふうに理解できないでしょうか。~美濃・土岐の地で詠んでから12年後、今度は相模・城山の地で同じく戦国の世に滅んだ山城の景色を感じるにつけ、白蓮は往時の作歌をこだまのようにリフレインしてみた~、と…。

 さて間もなく、一年の暮れを迎えます。市内外の耳目を集めた〈白蓮ネタ〉もひとまず幕を下ろすことにし、女史には石老山の大きな懐で再び静かな眠りについていただければと願うばかりです。(歴史担当:土井永好)

 *鶴ヶ城は、神箆(こうの)城・国府城・土岐城などとも呼ばれる岐阜県指定史跡。津久井城と同じく初築年代は不詳ながら、典型的な中世城郭の根小屋式山城を示す。

蓮さま、石老山に眠る~流転の大正歌人(佳人)と落人伝説(平成26年6月)

今年度前半、NHK朝の連続テレビ小説でヒロインの“腹心の友”として登場している「葉山蓮子」(愛称「蓮れんさま」、実際は「燁あきさま」)。モデルはお気付きのとおり、大正天皇のいとこにして大正歌壇の新旋風として活躍した柳原白蓮(やなぎわらびゃくれん)(最後の本名:宮崎燁子)です。その生誕から死去までは、ドラマ以上にドラマを見るかのような波乱な人生が物語られています。当時の新聞各紙をにぎわせた大正10(1921)年「白蓮事件」をはじめ彼女の数奇な運命話は他に譲ることとして、今回はタイムリーな話題となりますか、相模原と白蓮の隠れたエピソードについてお知らせします。すでにいくつかのガイド本などでその存在は周知されていますが、緑区寸沢嵐(増原)にある古刹・石老山顕鏡寺の一隅に白蓮は葬られています。東京に生まれ育ち、「筑紫の女王」となり、再び東京暮らしに戻った彼女の墓所がなぜ、山深い当地に設けられたのか?そんな疑問をきっと皆さんもお持ちになられることでしょう。事の経緯は意外や意外!最愛の夫・宮崎龍介(ドラマでは宮本龍一)が年来の友人の案内で相模湖周遊をした際に石老山に登ったことを白蓮に告げたことに始まります。その後、本人自らも訪れて当地の絶景にいたく感激し、終戦直前に戦死した愛息とともにいられるよう宮崎家永眠の地として選んだとのことです。白蓮は最晩年、緑内障により両眼失明しながらも昭和42(1967)年2月22日に81歳の天寿を全うしました。愛嬢が建立した墓碑には、「妙光院心華白蓮大姉」と戒名が刻まれています。

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石老山顕鏡寺
奇石・古樹・祠堂の類が境内を彩っている。

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白蓮終焉の地
源海上人の墓塔に寄り添う宮崎家墓地(左手奥)。 

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相模湖遠望
融合平からの見晴しで、白蓮お気に入りの景色。

 さて、話題の顕鏡寺には龍介・燁子夫妻の愛の逃避行にも似た縁起伝承が残されています。貞観18(876)年に堂を開いたとされるのは「源海法師」で、その父母は京の宮人・三条殿と八条殿の若君姫御といわれます。ふたりは相思相愛の仲となり、名馬に乗り東国へ落ち延びることに。相模国糟屋で村人の家に宿を得、その主人の助言で相模川上流にある「道志岩窟」に隠棲を求めるべく再び旅を続けました。行き着いた先は深閑幽谷でしたが薪や水に恵まれ、愛情を育むには最適の土地となりました。ほどなく男児を授かりますが、親子は悲運にも離散する運命にあいます。成長した子息は諸国行脚の末、両親と再会できましたが母のみを連れ京に帰ります。やがて彼は仏道に目覚め、悟りを得る場として道志岩窟を選び、法師となって一寺を開くことになりました。以上が顕鏡寺縁起文の大筋ですが、深い愛に結び付いた両夫婦の縁が時を経て石老山を舞台に結び付いたと自然に思いをはせた次第です。  閑話休題。白蓮燁子は亡くなる9年ほど前の梅雨明けの時期、主宰する歌誌『ことだま』の活動の一環か、歌友のもと(葉山島の医師宅)を訪れた際に津久井城跡城山周辺の風情を詠んだ一首を残しています

「ほろびたる ものは美し紫の 野菊そよげり 古城のほとり」。

 彼女がちょうど世界連邦運動協会婦人部活動で多忙なころ、そして光を失う少し前に相模川の美しい風景を短歌に留めたことは、自身の埋葬地が相模川(相模湖)を眺望できる場所になったことと何か因縁めいたつながりを感じてしまうのは私だけでしょうか?  おわりに、この一文を掲げるに当たり私の業務の一つ「尾崎行雄資料調査」に通じるキーワードをいくつか見つけました。白蓮関係では“歌人・九条武子”“佐佐木信綱” “世界連邦”、龍介関係では“普選要求・女性解放運動”“護憲運動”“吉野作造”などです。今後の成り行きで、違った角度から大正・昭和期の文芸史・社会運動史をひも解く幸運に恵まれるかもしれません。皆さんにはぜひ相模原との縁を思い浮かべながら朝ドラをご覧いただき、紅葉の美しくなる晩秋には一度石老山へ足を運んでいただければと考えます。(歴史担当:土井永好) *『郷土さがみこ 寺院号』(1970相模湖町教育委員会)や『相模川歴史ウオーク』(2005前川清治)をはじめ、諸氏のご助言も参考にしました。文中敬称略。

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