考古の窓(平成23年度)

考古資料の収集(2)

 寄贈資料の一部
NIKON D70s (18mm, f/5, 1/40 sec, ISO0)
寄贈資料の一部

 博物館で収集された考古資料は発掘調査で得られたものだけではありません。数量的には多くありませんが個人などからの寄贈資料もあります。耕作などによって地下に埋もれている遺跡が掘り返され、地表に土器や石器のかけらが散布している場所を見かけることができますが、個人からの寄贈資料の多くは、そうした場所で採集されたものです。

 これらの資料は採集地点が正確に記録されていれば、遺跡の有無やある程度の性格を把握するために役立つもので、これまで博物館では資料的価値が高いものについては、『相模原市立博物館研究報告』で報告してきました。

採集地点が記録された地図
NIKON D70s (18mm, f/4.5, 1/80 sec, ISO0)
採集地点が記録された地図

 平成23年度これまでに寄贈された資料では、市内にお住まいの石藏政雄さんが長年にわたって市内を踏査し丹念に採集された縄文時代を中心とする資料が注目されます。これらの資料は約100地点におよぶ採集地点が地図上に記録された資料的価値の高いものです。

 このように市民の皆さんが個人の力で集められた考古資料の中には、市域の歴史を知るための貴重な手がかりとなるものもあり、博物館ではそれらの収集や整理も行っています。(考古担当 河本雅人)

考古資料の収集(1)

 博物館における資料収集の方法としては、調査に伴うもの、寄贈・寄託、購入などがあげられます。

 考古資料の収蔵状況
NIKON D70s (18mm, f/8, 1/1.6 sec, ISO0)
考古資料の収蔵状況

 その比率は分野によって大きく異なりますが、考古分野の場合、収蔵されている資料の大半は開発に伴う発掘調査で出土したものになります。広い意味で調査に伴うものと言えるかもしれませんが、それらは博物館の収集方針にもとづいて、博物館が主体的に調査を行って収集したものではありません。つまり、収集方針にかかわらず資料が次々と蓄積していく点において、他の分野の資料とは異なる性格をもっていると言えるでしょう。

大日野原遺跡から出土した縄文土器
Nikon SUPER COOLSCAN 9000 ED (0mm, f/0, 0 sec, ISO0)
大日野原遺跡から出土した縄文土器

 もちろん目的をもって行われる資料収集もあります。平成22年度の博物館の窓でご紹介した、緑区澤井で中央大学と共同で実施している大日野原遺跡の発掘調査は、遺跡の価値を明らかにするとともに、市域山間部における縄文時代資料の収集を目的として実施されているものです。大日野原遺跡については平成23年度で第1期の調査が終了し、多量の遺物が出土しましたが、これらは調査報告が行われた後、博物館の常設展示室に展示される予定です。(考古担当 河本雅人)